行きたくない

いよいよ明日に迫ったお祝い会です。この1年間の子どもたちの成長を一人ひとりが表現する姿を是非ご覧になってください。

昨日の降園時の出来事です。年長さんのAちゃんが、「ナーサリーにいきたくない。」と涙を流す場面がありました。担任教諭はその姿に寄り添います。理由をく聞くと「おかあさんにあいたいから。」と。そのときはお母さんに会いたいんだという気持ちを受けとめました。それでも、Aちゃんは行きたくないの一点張り。

その後、お母さんに来てもらうことを約束した上で、Aちゃんはナーサリーの部屋で待つことを了承しました。ただ、お弁当は食べないよ・・・。でした。(友だちと過ごしていくうちにお弁当はいつの間にか完食していました。)

さて、その後はお母さまが早めにお迎えに来てくださりAちゃんは帰宅しました。

お家に帰ったAちゃんは、お母さんに次のようにお話したそうです。Bくんが「こえちっちゃ!」って言ったことが嫌だったと。そして、そのBくんがナーサリーにもいたので行きたくなかったと。

その日、Aちゃんはお当番でした。(現在、ゆり組はひとりでお当番をしています。)お帰りのお祈りをしたけど、その声が小さいと言われたことに対して思いがあったのです。

そのお話を保護者の方にお伺いしたとき、気持ちをしっかりお母様に伝えることができたのだと嬉しい気持ちになりました。その後、Aちゃんとお話をし、「お母さんによくお話することができたね。」と伝えた後、ちゃんとBくんにAちゃんの気持ちを知ってもらおうと提案しました。しかしAちゃんは「それはだめ。Bくんがかわいそう・・・。」と言うのです。しかし、「このままAちゃんが嫌な気持ちをもったまま過ごすことは先生は嫌だ。」ということを伝えました。そして、伝え方をいろいろ提案し、最後に決まったのは「Aちゃんがと言わずにBくんに伝える」ということでした。

さっそくBくんに声をかけ、お友だちが・・・と話を切り出します。するとBくんは結びつくものがあったのでしょう。「Aちゃん?」と聞き返してきました。AちゃんにはAちゃんと言わない約束でしたが、Bくんから出てきたことであったので。「そう。」と答えました。そして、Bくんは自分から「Aちゃんのところにいってあやまってくる。」と気持ちを伝えてくれました。とぼけることもできたかもしれません。分からないと言うこともできたかもしれません。が、Bくんは自分のしたこととAちゃんの気持ちをしっかり重ね合わせて向き合うことができました。

そっと影からBくんがAちゃんのところに行く姿を見ていました。すると、Aちゃんに声をかけ「Aちゃん。きのうは~ごめんね。」と伝えていました。するとその途端にAちゃんの顔がパッと電気がついたような明るい表情に変わりました。そして、Aちゃんは自分の気持ちを話し始めました。「ひとりでやってるんだからそんなこといわないでよね。もう。」というように私には聞こえました。そして、二人で笑いながらその後も言葉を数回交わす様子が見られました。

ここでAちゃんの気持ちはすっと落ちていったことでしょう。そしてBくんはAちゃんのその表情や言葉で救われたことでしょう。

Bくんは、「Aちゃんゆるしてくれた。」と伝えてくれ、ちょっと言ってしまったことかもしれないけれどAちゃんのように思うことがあるんだ。ということを確認し合いました。

そして、AちゃんにはBくんにAちゃんと言わない約束をしていたので、Bくんが自分からAちゃんのことだって分かってBくんからAちゃんのところにお話しにいきたいことになったことを伝えました。Aちゃんはすぐに「わかってる。」と返してくれました。

日々、いろいろな思いで子どもたちは生活しています。Aちゃんの立場では、もっと強くなってほしい。Bくんの立場では、言う前にもっと考えてほしい。そんなひどいことを言わないでほしい。と思うかもしれません。しかし、それができていればすでにできています。言われたこと、行ってしまったことで自分の気持ちをどのように伝えたらよいのか、してしまったことにどのようにしたらよいのか。を子どもたちが自分で考えていくことが大切です。その手助けをしてあげてください。その積み重ねが〇〇になってほしい。ということに必ず繋がっていきます。

もし、このお話で疑問に思うことや何か感じることがありましたら是非、お声がけください。そしてお話しましょう。