小さな生命との出会い

幼稚園の園庭には様々な生き物がいます。キンカンの木にはアゲハチョウの幼虫が。畑の周りには孵化したカマキリの赤ちゃんたちが。土の上にはダンゴ虫さんたちが。子どもたちは見つけては伝えに来てくれます。

①そんなある日、たんぽぽ組のA君が青虫の入った虫かごを持って登園してくれました。そして、それから3、4日後の朝。虫かごのなかでひらひら羽ばたいているモンシロチョウ。A君は声を高らかにみんなに伝えて回ります。クラスでは「にがしてあげないとだめだよ」「いれものがちいさいからにがしてあげよう」様々な意見が出たようです。そんな中、A君は「いれものをおおきくしてかう!」とみんなに気持ちを伝えます。意見が多いからそのことに決まるのではなく、A君の意見はとても大切な大切なことです。では、どうしてA君は大きい入れ物にしてまで飼いたかったのでしょうか?・・・それは、もっと大きくなると思っていたので、その様子を見たかったのです。(ちゃんと逃がしてあげようという気持ちはあったのです。)

②ある日、たんぽぽ組のB君がトンボのヤゴを持ってきてくれました。トンボは見たことがある子どもたちもヤゴと言われてもなかなか想像がつきません。その日から、お部屋に新しい友だちが増えました。2、3日経った朝。ヤゴからトンボに変身した姿を目の当たりにした子どもたち。目をキラキラ輝かせながら見ていました。孵化するその時は見れなかったのですが、力強く生きているトンボの姿から子どもたちはどんなことを感じたのでしょうか?B君は「にがしたくない」。周りの友だちは「にがしてあげたほうがよい」。さて、どんな話になっていくのでしょうか。

その後・・・。

B君はどうしてもにがしたくない思いを考えました。畑近くにふたを開けて置いといてあげることにしたのです。考えましたね!次の日の朝、真っ先に見に行っていました。「にげていったよー」。B君の顔は納得していたように映りました。