子どもたちへの望む姿として「話をしっかり聞く」ということが挙げられます。「うちの子は話を何にも聞いてない。聞いてくれない。」ということを聞くことも少なくありません。
では、子どもたちにはその力が身につくまでにどのような経験が必要なのでしょうか?
まず0歳~2歳は周囲との信頼関係の基盤づくりの時期で、自分の発する言葉を大人が繰り返し言うことで気持ちをくみ取ってもらったうれしさを知るということが必要です。
3歳児は人と言葉を交わす心地よい経験を積む時期で、自分が言ったことや気持ちを受け止めてもらえたうれしさ、自分に語りかけてもらえる安心感を体験することが必要です。
4歳児は集団の中の一員として、全体に向けた話が聞けるようになる時期で、担任がクラス全員に語りかけているときも、「自分も聞かなければ」ということが少しずつ分かり始める。また、数人のあそび仲間で言葉が伝わったうれしさも感じるようになることが必要です。
5歳児は、静かにしゃべらずに聞くことが大事だと分かってくる時期で、担任の話を聞きもらした失敗を経験して、「先生の話は自分にとって大事だから聞こう」と自覚が芽生えてくる。仲間同士で考えや思いが伝わったうれしさを体験することが必要です。 (ベネッセ:これからの幼児教育より抜粋)
このように、子どもたちは急には身につきません。一つ一つの階段を上っていくことが必要なのです。今までこうしてこなかったからもう遅い。なんてことは一切ありません。もう一度ここから始めればよいのです。そこに気付くことが大切です。
年少、年中の保護者の皆さん、子ども自身が人の話を最後まで聞く力の大切さが分かるのは5歳ころからです。それまでは、聞かなかったらどうなるのだろう。という意識はまだ持てないということを心に留めておいてあげてくださいね。
そして、年長の保護者の皆さん、聞いてよかった(理解し、行動できたことをほめる)、聞けばよかったという場面を大切にこれからの育みをしていきましょう。
子どもたちの成長には私たち大人がしっかり理解し、力を注いでいくことが必要不可欠です。できないことを決して子どものせいにしてはいけませんよ。そこを十分に分かったうえでこの6月過ごしていきましょう。