2019年度が終わりに近づいてきました。年長児は卒園に向け、年少児、年中児は進級に向けて歩みを進めています。各幼稚園においても、一年間の成長を喜び合う時間を過ごし、この一年間の子どもたちの成長を感じていることでしょう。
ひとり一人が自然と次の学年へと向かう言葉が多く聞かれるようになっていきます。初めて園生活をスタートした年少さんは、教師との友だちとの関わりに喜びをもつ姿に変わりました。お互いへの要求が強く出ている今は今後の年中さんでより深まっていくことと思います。人のことが気になってしまう様子も見られています。自然な姿です。年中さんになると自我も育ち、よりパワフルになります。そのことを悪いと思わずに成長として受け止めてあげてほしいと願います。
保護者のみなさまも子どもたち同様に初めての幼稚園での生活であったと思います。この一年の経験をこれから新たに園生活をスタートしようとしている新入園児の保護者の方へぜひ支えとしてお伝えしていきましょう。
年中さんは、グループや友だちとならできる。そんな姿があります。ですので、ひとりでの時との差が大きいです。それが悪いわけではありません。大切な気持ちです。そして、恥ずかしいという気持ちをもって年長さんに向かいます。
また、一人ではなく、友だちとならば強く表現できる姿。良いことも悪いこともです。気持ちが大きくなると言葉も行動も積極的になっていきます。自己表現することは大切なことです。とはいえ、度が過ぎるのはよくありません。年長に向かっていく中でここにしっかり向き合って残りの日々を過ごしていきたいと思います。
年長さんは、園をさよならするんだ。という気持ちが全体的に感じられています。今の年長さんは、聞き返すと、自分なりの考えを伝え、行動にうつすことができます。クラスの中では自然と深まっていますが、ちょっとクラスの枠から外れた時に、受け入れられなかったりする様子が見られます。団結力があることはよいことですが、自分たちが年長として、年少さんや年中さんにどのような関わり方をすることがよいのか。前に行くことだけでなく、時に引くことも必要です。そこを中心に三学期は特に力を入れて歩んできました。
ひとり一人がそれぞれの道に向かおうとしている今、周りへの気持ちにより意識が向くよう歩んでいきたいと思います。
また、ひとりで何かを任されて自分で行っていくということもクラスの中で深めています。自分で判断する経験を通して、自信をより深めて小学校へと歩みをつなげてほしいと思っています。
子どもたちはこれから大人が言わなくても、自然と卒園・小学校へと気持ちを向けていきます。そこで私たちができること。それはじっくり見守る。ということです。神さまが私たちひとり一人を見守ってくださるように。小学校に向けて何かを身につけたりする必要はありません。今までの積み重ねをもう一度振り返っていきましょう。そのことが何よりも子どもたちの安心、頑張りにつながっていきます。
私たちも卒園までの取り組みでは新しいことを求めず、今のこの子どもたちの力がどのようにしていくことで発揮されるかということを第一に保育にあたっていきたいと思っています。
保護者のみなさまも残りの日々を思うと寂しさを感じることもありますが、今までの成長を噛み締める時間とすることで喜び合える時としてください。